サイトアイコン とある坊主の猟奇的な日常

主婦力

今日も奥さんと離乳食を作った。

主に副菜担当。小さく刻んだ野菜を茹でたり潰したりしながら、僕は隣に立つ奥さんの手元を見ていた。

僕は昔から、完璧に弱い。

いや、正確には完璧という言葉に取り憑かれやすい。

何かを始めると、すぐに理想形を思い描いてしまう。離乳食だってそうだ。栄養バランスが良くて、彩りも良くて、手作りで、安全で、愛情もたっぷりで。そんな食事を365日、毎食続けるのが正しい姿のような気がしていた。

もちろん、そんなことは無理なのだけど。

無理だと分かっていても、頭のどこかで理想を下げられない。

だから疲れる。

自分で勝手に高い棚を作って、その上に乗せた理想を見上げながら暮らしているようなものだ。

でも奥さんは違う。

冷凍できるものは冷凍するし、市販品も上手に使う。手を掛けるところと掛けないところを自然に分けている。

最初は、それでいいのかなと思った。

でも愛息は、そんなことを気にしていない。

スプーンを口に運べば嬉しそうな顔をして、気に入ったものはもっとくれと身を乗り出す。作った人の努力の総量なんて知らないまま、ただ美味しいかどうかだけで笑う。

その姿を見ていると、少し肩の力が抜ける。

僕はいつも、100点を目指していた。

でも子育ちは、100点を取り続ける競技ではないのかもしれない。

70点でも80点でも続けられること。

むしろ、そのほうが大事なのかもしれない。

手を抜く。

昔の僕は、その言葉を怠けることだと思っていた。

でも今は少し違う気がする。

長く続けるための技術。

いわば主婦力。

僕がこれから覚えなければいけないことの1つだ。

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